FIRE入門②商品をつくる
前回の記事の続きです。
意識していなかっただろうが、キミは「労働力」という商品を売って、生活をしていたんだ。
全然意識してませんでした。
「頑張って働いた」から給料をもらっていたと思っていたのですが…
いいや。
まぁ頑張ったことは偉いことだとは思うが、もし頑張っていなくても、会社に来てちゃんと労働していたのなら、給料はちゃんと出た。
そういうことだったのですね…!
たしかに、「頑張ってないな」と思えたオッチャンたちも、ワタシの倍以上の給料をもらってました。
そうだ。
そして、「労働力」を売っている限り、お金は「ぎりぎり生活できるぶん」しか貰えないし、会社にいるのだから時間は、ない。
ぐっ…!いったい、どうすれば!
今回の記事では、「”労働力”を資本家に売って、給料と交換してもらっていた」という構造を捉えた上で、
一体どうやってそのルールから抜け出すのか?ということを考えます。
これを読めば、労働力「以外」に商品を作らなきゃいけないのだな!ということがハッキリと理解できるはずです。
給料で同期に差をつけられた理由
お金とか時間の自由を増やしたい!
そう思ったときに、まず最初に考えつくのは、
「仕事で成果をバリバリ出して、給料やボーナスを上げる」ということでしょう。
ワタシ自身も、長年「そのようにやるべきだ」という教育を受けてきましたし、それを実践してきました。
「言われてないしごと」まで頑張ったり、
飲み会の幹事を頑張ってみたり、
『顔を売る』ために他部署の飲み会にも参加したりもしました。
ところが、結末はどうだったでしょうか。
・・・ワタシ自身の能力不足も大いにあるのでしょうが、結果的に出世は、同期の中で一番遅かった。
(というより、最後まで係長になれないまま辞めてしまったw)
毎回のボーナスの加点も、+5万とか10万という「雀の涙」程度のものでした。
それに、仕事で「納得行く成果物」を出すために、”労働時間”の外を使って、
手書きでノートを付けてアイデアを練ったりもしていた。
ですから、「時給換算」するならば、あのときが一番低かったんだろうなあ、と思います。
出世が遅かったこと、
ボーナスの査定が低かったこと。
それはワタシ自身の能力不足を50%認めますが、いまならわかる、もう50%は、以下の理由だと思います。
ワタシが家も買ってない・ローンも組んでない・家族も子供もいない独身者だったから
つまり、「明日も元気に会社に来る」ために、あんまり経費がかからない、省エネ人間だったからです。
たしかに、子供がいたり、それゆえマイカーをローンで買っているような同期は、ワタシに比べて10万円/月ほども支出が多いはずです。
そう考えた時、会社はどっちを出世させて、来年から10万円/月分、給料を上げるべきなのでしょうか?
前回の記事で確認した通り、
給料=社員が明日も元気に会社で働いてくれる水準。
多すぎず少なすぎず、ぴったりと設定されるはず。
比較する両者が、まったく同じ能力値なら。
あるいは、多少能力値に逆の差があったとしても。
「こどもがいるほう」の給料を上げるべきなのは、考えるまでもないことです。
ワタシが会社側の立場にいても、必ずそうします。
だって、こどももいるのに10万円/月も給料が同期より低くなるなんて、
やっぱり可哀想だし、そんな状況に置かれた彼は、きっと辞めてしまうじゃないですか。
辞められたら、困る。
だから、「いちばんみんな辞めないかたち」に落ち着いていくわけです。
労働力は強化できない
そういうことがわかったからといって、30歳前後だったワタシにこどもがいないもんはいないし、
「給料を上げるために子供を生む」というのも変な話です。
妻の入院(※)のこともありましたし、家族計画的に、こどもに恵まれるチャンスへのトライというのは、まだまだ先のことでした。
※参考
だったら次に思いつくのは、「もっともっと労働時間を増やすこと」しかありません。
かんたんに給料やボーナスが上がらないなら、最も簡単に上がる「残業代」に目をつけるしかないのです。
いまや副業が解禁されてきた時代ですが、ワタシがこういった事を考えていた数年前は、まだまだそんな空気ではなかった。
だから、「どこか別の会社とダブルワーク」というようなことは、一切考えられませんでした。
しかし、1ヶ月もせずに、すぐさま次の問題にぶち当たります。
そう、「そんなに働けないよう(涙)」ということに・・・笑
20代の頃なら話が違ったかもしれませんが、30歳になってからはもう全く、長時間残業とか土日出勤に耐えられるようなスタミナはありません。
これはどれだけ寝たって変わらないし、
さらに、どんどん年とともに悪化していくことは、わかりきっていました。
そうしてすぐさま、
「労働力」には限界があって、これを強化したがるのはスジの悪い戦略だ
ということがわかりました。
労働力以外の”商品”をかんがえる
だとしたら、おのずから答えは決まってくるようなものです。
原則1.資本主義社会は、商品を交換しあうマーケット。
原則2.サラリーマンは、そこに労働力を出品している。
原則3.労働力は、もうこれ以上には鍛えられない。
だったら、、、
労働力「以外」の商品を持つしかなくない笑
ということが、はっきりと浮かび上がってきます。
そう。
「自分が」働くじゃなくて、なにか別の「商品」に、働いてもらうこと!
実際、自動車メーカーの社長は「クルマ」という商品を資本主義マーケットに持ち込んでいます。
それは「鉄の塊の乗り物」であって、「労働力の切り売り」とは明確に異なる”商品”です。
その”商品”の価値がベラボーに高いから、年間で10億とかいうような報酬(=サラリーマンでは、絶対に貰えない額)を、もらえているわけです。
だから、社長と同じことを、する。
それしかないです。
つまり、自分がオリジナルでこしらえた商品を、資本主義マーケットに持ち込んでみる。
それによって、誰かにその価値を認めてもらい、お金と交換してもらう。
そのロジックでお金をもらうことができれば、
さんざん惑わされてきた「労働力の論理」の外側に出られることになります。
狙うべきは、そこしかないってわかります。
次の記事に続く。